ゴム動力 プラ子の日記  〜 第115回め 〜

    

10月26日(水)  いざ!九州へ! 

第1話 「ついに旅は始まった」



なんと、ワタクシ、九州に行って参りました。完全プライベートの一人旅。つい先日、岡山より西に足を踏み入れたと尾道で喜んでいたのですが、弾みがつくとはこういうことなのですね。

話は10月21日(金)にさかのぼる。 

憧れの九州へ旅行で行くんだ、あっさり飛行機で行くなんて、そりゃあなた、せっかちな都会の人のすることで。 新幹線だって、たったの(?)5時間ぐらい。もったいない・・・遠くに行くときは、時間をかけて行こう!をモットーに、私は昼過ぎに、まず大阪まで安いチケットの「ぷらっとこだま」で出かけた。

夜まで時間もあるので御堂筋線で行き慣れたナンバを目指した。荷物は巨大で重い・・・。やっぱり、ごろごろ引きずれるタイプの鞄を買うべきだったか。荷物で体が傾いて、途中でまっすぐ歩けない状態となってしまった。それでも、いつものマムートさん到着!と思ったら、鍵が・・・。ぐわ〜ん、お留守だった。




しばらくその場に立ちつくし、そして次の作戦を考えた。「とにかく座ってティータイムにしよう!」 今来た道をまたヨロヨロ引き返した。ナンバの地下、高島屋に行けば気軽に座れるカフェがあるかな。そう思って人混みの中を歩いていたら、目の前に見たような人が。

「ブライアン!」

「プラ子さん!なんで???」

なにわ戦車隊の友人にこんなところで。大阪も狭いなぁ。彼はアメリカ人、さっと荷物を持ってくれた。

「うわ、重いね!」

「うへへ!私、今から九州に行くのよ!しかも、船で!いいでしょ〜♪」

「え〜、 3日間ぐらいかかる?」  ・・・そんことはないよ。(笑)

ちょっと立ち話をしてリフレッシュ、彼はデートへ、私は高島屋へ。すぐ近くにカフェを見つけてお茶を飲んで元気回復。疲れていても上を向いて歩いていれば、ささやかでも良いことあるもんだ。



その後、友人と待ち合わせ場所の北新地へ。

北新地に行くなら、まず路線図で北新地駅を探す。こうしたことは大阪の人からしたら笑える行動だったようだ。結局最寄り駅を聞いて、あとは地下に貼ってあった地図で待ち合わせ場所のだいたいの方向を目指したら、案の定、道に迷った。キレイなオフィスビル郡の中には有名企業の名前がずらり。せっかく迷ったのだ、どうせなら、このカッコイイビルの中を抜けて行こう!というわけで、3つほどビルの中を勝手に抜けさせてもらった。警備員さんに停められることはなかった。ほっ。

大荷物を抱え、これから船で寝るぞ!というラフないでたちの私には目が眩むような、キレイなおね〜さんたちが歩いている。違う科の動物に違いない。日暮れ時に食事をしている「パーフェクトメイクのキラキラおね〜さん」と「身なりの良い顔のテカったおじ様」をまぶしく眺めながら、これがいわゆるテレビのドキュメンタリーで見る「同伴出勤」なるものか〜、美味しいもの食べてるな〜、と、社会科見学は怠りない。ここが演歌に出てくる北新地。・・・すごい。

今夜の船酔い対策のため、おいし〜ものを少しずつ頂いて(これ、理想的!)、その後、その船酔い対策を無にするような、おいし〜ケーキも頂いて(これも止められない!)、違う科の私だって幸せな気分。 友人と別れ、いざ、南港へ!

21時発の別府行き「さんふらわあ」は、先日尾道行きで感動した美しい瀬戸内海を通り、神戸、松山を経由して別府国際観光港に入る。誰に聞いても無謀だとか、変人とか、酔うぞ〜と脅かされたけど、例え後悔しても瀬戸内海を一度は船で行ってみたかったんだ。もう一本前の便なら直行便。でも、船が陸に近づく時ってキレイだろうな、と、敢えて寄港ルートを選んだ。「さんふらわあ」のHP

こだわって贅沢をしたのは、「特等個室」。これは船酔い対策と、酔っ払いオヤジ対策、そして、夜中の瀬戸内海を部屋から眺める為。インターネットで申し込むと2割引になるので、早々に予約しておいたわけ。キャンセル料は不要、もし天気が最悪だったら新幹線でいくことにしようと思っていたけれど、その夜は、とても空気が澄んでいて、波も無く、船旅には最高の夜だったようだ。気分は高まるばかり。

  

乗船名簿に記入して、さて、乗船だ。

想像以上に大きな船は、車を載せる為パックリと鉄の板の口を開けていて、その微妙なカーブにマシーネンに通じる雰囲気を感じた。個室に入ると、そこはまるでビジネスホテルのシングルルーム。何でもあった。

部屋の隅から説明すると、スリッパ、窓にカーテン、絵画、予備の毛布、浴衣、荷物置きの台、テレビ、湯沸かしポット、お茶セット、冷蔵庫、コンセント、鏡、ライト、ベッドに羽布団に枕、アラーム時計、各種パンフレット、ハンガー、筆記用具、ニオイ消しの炭の置物、ティッシュ、懐中電灯、もちろんバスとトイレ、ドライヤー、シャンプー、リンス、ボディーシャンプー、花柄のトイレットペーパー、便座クリーナー、掃除道具、歯ブラシ、フェイスタオル、バスタオル、足ふきマット、・・・etc. ビジネスホテルと違うのは、・・・救命胴衣! あぁ、タイタニックな気分。

毎回オゾン脱臭をして、そのオゾンを回収している(どういう意味だろう?)ということで、ニオイもなく、居心地良い。満足だ。。。

電波が届くうちにあちこち連絡を取り、その間に船のエンジンがかかった。震度1ぐらいの振動が続く。スクリューが回っているところを見たいな〜と思うが、それは叶わぬことだ。


  

さて、探検だ。もう大浴場は開いているらしい。2人部屋とか、4人部屋とか、大広間とか、全ての部屋タイプを覗きに回る。個室の人以外、だいたい開けっ放しなんだね。大広間では、熟年夫婦のすぐ隣で酔っぱらったおじちゃんがイビキをかいて寝ている。男女別々なんてことはないんだ・・・女性専用スペースはあるらしいけど、やっぱり(うら若き!)私にはまだ「早い」な、大部屋は。

ついに出港。期待は高まり、そして、だんだん南港が遠くなっていった・・・。


綺麗なラウンジはすでにみんなちゃんと場所取りしてあって、窓の外を眺める席はもう空いて無かった。いいんだもん、私は部屋で眺めることができるんだから。。。レストランの中では宴会のように騒ぐ若い男の子のグループがいる。館内放送の様子では修学旅行の子供たちも乗っているらしい。ぜったい沈没してほしくないな、と改めて思う。 最新式マッサージチェアがあったので300円入れて15分ほど、お世話になった。

明日の朝用にジュースを買い、部屋に戻ってお風呂に入ろうと服を脱いだら、両肩には荷物のベルトの通りにアザが。この荷物、帰りは絶対宅配便で送っちゃるからなっ。

以下次号

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