ゴム動力 プラ子の日記  〜 第116回め 〜

    

10月27日(木)  いざ!九州へ! 

第2話 「瀬戸内は素敵」     
夜の話だから夜の色にしとこ・・・。


テレビは見る気になれなかった。部屋の窓は壁の厚さのせいで出窓のよう。そこにお茶を置いて、瀬戸内の夜の海を眺めた。私の船室は四国側だ。気づいたときには神戸港に入っていた。しまった、夜景を見そびれた!

しばらくは部屋の外にでて、出港時に神戸の夜景を堪能することに。ホントに空気が澄んでいて、キレイな夜だった。電波が届くうちにと、かなりの人が部屋から出てきて携帯で連絡を取りあっている。沖にでると圏外だからね。

ラウンジは明るい。ガラスも船内の光を反射してしまうし、夜景を楽しむにはやっぱり暗い部屋じゃなきゃなぁ。そう思って、神戸港が遠くなると早々に個室に戻った。乗客全てに与えられた同じ夜景でも、よりきれいに見たい。そのほうが「お得」だ。(笑)

部屋の電気を消した。四国側の海岸線は入り組んでいて、島影と道路の明かりや町の灯りが連なり、とてもキレイ。たぶん、本州側のほうが何倍も灯りが多いんだろうけど。


関西汽船HPより


それにしても、瀬戸内の航海は対岸が近くなったり遠くなったりするのがいいね。3大大橋が見える、というので、楽しみにした。23時過ぎに通過する最初の橋、明石海峡大橋までは確実に起きている時間だ。インターネットで調べたら24時までライトアップされているとのこと。 ワクワクしながら外をみたり、時計をみたり。

が・・・壁に貼られたパンフレットにふと目がいった。「ライトアップは22時半頃までです」 

え・・・船内で、ライトアップされた明石海峡大橋が!と宣伝してるのに?

あんまりだ・・・。うるうる 

ま、気を取り直してっと。・・・丁度外をみているときに最初の橋、明石海峡大橋の下を通過。ライトアップされてなくても圧巻だった。そういえば、数年前にお年期で舞子に泊まったとき、ホテルの正面が明石海峡大橋で窓から見えるライトアップされた橋は絶景だった。・・・見たことあるからいいや・・・と自分を落ち着けてみる。

船首方向に特等専用の窓と椅子があり、そこからは正面の景色が見えるとのこと。どんな感じかと見にいったけど、すでに席はいっぱいだった。残念なことにガラスに塩が付いていて、あまりよく景色が見えなかった。じゃぁ、部屋の窓から外の景色がよく見えるのはなぜだろう?きっと風向きの違いで運良くガラスに塩が付いてないんだな。

さ、寝よう。

着替えてベッドに入り電気を消した。せっかくだからカーテンは開けたままに。船はまったく揺れない。船酔いの兆しもない。よかった・・・。

でも、揺れないけれど、ずっとエンジンの振動で震度1状態は続いている。微妙に天井のエアコンの羽根がカタカタカタカタ・・・ 窓枠がミシミシミシミシ・・・ 騒音ではないかすかな音が寝ようと思うと耳障りだ。 ふと、ベッドの上と大部屋の床、どのぐらい振動の伝わり方が違うんだろうって思った。真っ暗な中、ベッドから這いだして床に転がってみた。・・・ベッドがあってよかった。。。と思った。

寝ているような寝てないような・・・でも、だんだん目が冴えてきて、それならばと起きだして窓の外をみた。釣り船が行き交っていた。時計は2時過ぎ。1時間ぐらいはうつらうつらしたんだな。運良くちょうど、2つ目の橋が見える時間。おぉ、瀬戸大橋だ!すごい迫力。しかも対岸が近いよ。浅瀬じゃないのかな、よくこんな大きな船が通るものだと、感動する。

さ、寝よう。

またまたベッドに入った。カタカタミシミシ、相変わらずの振動だ。

寝ているような寝てないような・・・でも、だんだん目が冴えてきて、それならばと起きだして窓の外をみた。釣り船が行き交っていた。時計は4時過ぎ。1時間ぐらいはうつらうつらしたんだな。 って、同じじゃん。いや、ホントに同じだったわけで。

ちょうど、3つ目の橋が見える時間。なんで目覚ましも掛けないのにこんなにタイミング良く目がさめるかな〜と感動すら覚えた。

おぉ、瀬戸内しまなみ海道だ!尾道に行ったときに見上げた橋(尾道大橋)より四国側、大和の映画セットがある(向島)と因島を結ぶ橋(因島大橋)らしい。夜中に大和のセットが見えるかと思ったけれど、それは完全に島の逆側のようだ。

この辺も期待通り岸が近い。(だから橋ができるわけで) 私が気づいたなかではもっとも岸が近く、うっすらと島影が浮かび、すぐ近いころに小さな灯台が回っているのがはっきり見えた。海を照らす灯りが幻想的だ。海面がキラキラ輝いていた。海は凪いでいて、海面はときどき鏡のようにのっぺりとしている。

あ〜〜〜いいな〜〜〜。こんなに気持ちが弛むときに限って、海賊がせめて来たりするのだ。・・・昔だったら。

さ、寝よう。

またまたベッドに入った。カタカタミシミシ、相変わらずの振動だ。

寝ているような寝てないような・・・って、もういいか。(笑) 要するに、眠りに落ちてもなんとなく熟睡ができないんだ。決して不快なほどでもない程度の振動なんだけどね。居心地の良い個室でベッドがあってこれじゃぁ、大部屋だったら?と想像すると、みんなが止めた方がいい、というのが分かるような気がした。

これで見るべき橋はもうない。あとは、パンフレットに出ていた「大浴場で朝日を望む!」。これこれ。これですよ。これを楽しみにあと1時間半ほど眠ろう。



さすがに眠くなって、良い気持ちで眠りについたそのすぐ後だ。

「しげのぶ中学校のみなさん!あと45分で松山港に入港します。起きた人から朝の準備を始めて下さ〜い。」

朝の5時過ぎ、夜明け前にこの館内放送はいったい・・・・。有り得ないよ、私はしげのぶ中学校のみなさんじゃないぞ!!!


以下次号

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