ゴム動力 プラ子の日記  〜 第183回 〜

平成19年 6月29日(金) AFVのある景色

今日は古くからの友人でありお仕事の先輩でもある方が久々に静岡にいらしたので、ランチをご一緒した。

近くのフレンチレストラン「びすとろぷろばんす」で待ち合わせをしていたので、あわただしく仕事を切り上げ、早めに事務所を出た。レストランの数軒先には私の趣味であるネイチャーアクアリウムの専門店があり、ちょうど切らしていた二酸化炭素のボンベを買いにいった。おいしいお料理を食べ、楽しい会話の後はまたお仕事。

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蒸し暑い3時頃。下を向いてちまちま仕事をしていると、「こんにちは!」と元気な声。顔を上げると前回のフリマのときにキューベルワーゲンを出展してくださった14号車さんだった。息を切らしている。

「面白いものが停まってますよ!近くだったからお知らせに来ました!」

「な、なんですか?」



かいつまんで話を聞いた私は、とにかく急がねば!と思った。

「お〜〜!カメラ、カメラ!」

「じゃ、僕のキューベルで行きましょう!」

「お〜〜!キューベルキューベル!」



飛び乗ったキューベルワーゲン、そして事務所から数百メートル東に進んだところで路肩にキューベルを停めた。

「ほら、あれです!」

「お〜〜〜〜・・・・  で、あれは、なんでしたっけ?」 

ミ(ノ_ _)ノ=3 ドテッ

(車の中で何度も聞いているのにまた・・・)

「だから73式装甲兵員輸送車ですよ!」

「ヘン輸送車?えっと、いくつ式でしたっけ?」

「だからぁ・・・・・・」

そこは、JRの車両基地みたいになっているので、広い敷地に何本も線路があり、目の前のJR線よりずっと遠くに見えたけれど、私の小さなデジカメの望遠でもそれなりによく写った。雑草やコンテナ、電信柱の向こうに見える装甲車、なんだかジオラマのようだった。これが有事の際だったらジオラマみたい、などとは言っていられないんだろうけど。

フェンスに張り付き、写真を撮りまくっていると、キューベルの後ろにもう一台車が停まり、人が降りてきた。その人のカメラには大きな望遠レンズがついていた。ニュース映像でみる鉄道マニアの方みたいなカメラだ。なんと準備のいいこと!良い場所を選びながら爽やかに「こんにちは!」と声を掛けてくれた。(それが妙に新鮮だった) 

だけど、よく見つけるよなぁ〜。

 

14号車さんのキューベルを「すっとばして」現場に。

おぉ!圧巻だ!

なんかのマークが、チラリ。 

連結待ちの静かな時間が流れていた。ねぇ、どこから来てどこへ行くの?薄曇りの蒸し暑い風になびく雑草が、妙に哀愁を感じさせた。

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事務所に戻り、しばらくすると14号車さんからすぐに下記のような情報が入った。

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名称:73式装甲車

所属:不明

車種は「装甲兵員輸送車」で間違えないのですが、制式呼称には「兵員輸送」は付かない様です。

参照:【http://www.mod.go.jp/gsdf/html/soubi/bottom/syaryou/kaisetu/73soko.html】

部隊マークはどうやら師団マークでは無く連隊かそれ以下のマークの模様。

軍配をモチーフにしたマーク、見覚えはあるのですが、加齢の為、何処の部隊か思い出せませぬ。

本業の陸軍様にお尋ね下さい。

帰りに再度通過しましたが、もうありませんでした。

即応しておいて正解でしたな

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そして、その後、タスカのY田さんから、下記のような情報が。

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このマークは第8師団の第8戦車大隊のマークですね。

軍配のように見えるのが兜の角(って言うのか?)で、その間に虎の顔が描いてあります。背後の赤の帯が2本線に見えるので第2中隊の本部付き車輌ということだと思います。

部隊は九州の玖珠駐屯地に第4戦車大隊と一緒に駐屯してるはずですが、輸送中の車輌が73式だけだとすると、演習で移動中というよりも相模原の三菱重工で修理か整備で送られた帰りかも知れないですね。

なんでわかるんだろう。

すごいよなぁ。私の周りには少なくとも「いくつ式」かぐらいは、わかる人のほうが多いのだろうな。まだまだ私は修行がたりないです。作ってないから覚えないのよね〜。

そういえば、2月にドイツのコブレンツ戦車博物館に行ったときには、作ったことのある「三突」と、乗ったことのある「キューベル」と「シュビム」、そしていじくり回したことのある「88ミリ砲」は、わかったぞよ。  ・・・それだけしかわからないのに「コブレンツ」に行くとは、まったく!と何人もの友人からつっこみが入ったけれどね。 これから作るプラモが増えれば、私の知識も増えるはず。まっててね。(笑) 


8「100万年ぐらい?」     P[おだまり!」

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余談ですが、コブレンツに行く列車(新幹線みたいなやつ)の中では面白かったなぁ。、日本で「ジャーマンレイルパス」を買っていたので、ファーストクラス乗り放題。移動は快適そのものだった。大きな座席で一人でぽーっとしていると、車掌さんが「どこに行くの?」と聞くから、その夜の宿泊地である「ベルリン♪」と答えたんだ。

そしたら、「え!ベルリン!?」

車掌さんはものすごく狼狽えて、その場にしゃがみ込んで列車の運行表を忙しくめくり始め、他の車両に走っていって、また戻ってきたり、周りの乗客たちが振り向いて「ベルリン!?ほんと?そりゃ大変!」と言うし、周りのみんながオロオロし始めた。なぜなら、私もコブレンツの場所を地図で把握していなかったので知らなかったんだけど、ニュルンベルグからベルリンとコブレンツはまったく逆方向。言葉もたどたどしい上に、大きなスーツケースを持つこの東洋人、なんと間違えた列車に乗ってしまったのか!さぁ、どうする!!とみんな思ったみたい。居眠りしていた人まで起き出して心配そうにこっちを見ていた。平穏で退屈な車内で起きた小さな事件って感じか?

私は最初、なにが問題なのかもわからずにいたけれど、車掌さんがしきりと路線図を私に見せながらなんか言っていたので、しばらくしてから「あ、降りる駅はコブレンツですけど」と言ってみたら、皆が声をそろえて

「コブレンツ!!!」  

そして一斉に安堵した様子が漫画のようだったよ。一気に事件解決。所要時間5分ぐらい。

検札なんだから降りる駅をいわなきゃだめなんじゃんね。あぁはずかしい。私もコブレンツからベルリンが遠いとは知っていたけど、方向は同じ途中駅だと思いこんでいたんだ。

「あ〜びっくりしたよ、君がベルリンなんていうものだから、ホントにど〜〜しようかと思ったけど、コブレンツならこの列車で行けるよ、さ、温かいコーヒーもってきてあげる。ちょっとまっててね♪」 

たぶん車掌さんはそう言っていた。まったくわからぬ早口のドイツ語だったけど、温かいコーヒーも届いたし、顔も安心していたし、間違いないだろうな。ちなみに、あと二人の同行者とは列車が混んでいたために席が離ればなれ、この小さな事件の間、二人とも遠くの座席で爆睡しておりましたとさ。(笑)

急に昔話(といっても半年前)を始めるなんて、なんだかやっぱり歳を取ったからなのかしら。(笑) 昨日はお誕生日でした。44歳になりました。

さて、明日も仕事だ。エイエイオー!

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