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ゴム動力プラ子の日記 〜第213
回〜  2013年 7月31日(水)  

 

こう見えてもワタクシ・・・ 工作スキなんざんす。

「歯で音を聞こう!」 ハデオ君誕生秘話 (秘話か?)

 

命名「ハデオ君」
歯で音を聞く体験をしてもらうための機械です。

松江で開催中の「発明王エジソン展」の来場者の皆様にぜひ使っていただきたくて、同展企画担当の不肖ゴム動力プラ子、がんばって二日間で手作りしました。


(絶賛開催中!こういうお仕事もしています。結構まじめです。)

エジソンは、耳が不自由でしたが、ある日、ピアノに噛みついたら歯からピアノの震動と共に音がはっきり聞こえたことに感動し、それが、後日、蓄音機の発明につながりました。

今回の松江のエジソン展で、じっさいに触れる展示物として、なにか作りたいと思いましたが、会場内は蓄音機のいい音が流れているから、音が振動だと教えるために、まさか、太鼓を叩くわけにも他の音を出すわけにもいきません。それで、色々悩んだ末に、いわゆる「骨電動」の仕組みを利用することにしました。

ただし、これは体の科学になるので「歯で音が聞こえた感動」を来場者のかたに感じてもらうために、敢えて骨伝導の仕組みの説明は割愛することにしました。

骨伝導の簡単な実件装置は、ネットで調べると、ラジオのイヤホンジャックにピンプラグを差し(これで音は外に漏れず会場でもばっちり使える)、それを直接、普通のモーターに接続、モーターの芯に割り箸を指し、耳を塞いで割り箸を噛めば、歯から微かにラジオの音が聞こえるとのこと。

それを私なりにアレンジして、ラジオは小さなウォークマンに。音は絶対ピアノの曲で。

そうと決まれば、松江のベニヤ模型さんに直行です。試作を作るために部材を切ってくださったり、部品をさがしてくださったり。街の模型屋さんは頼もしいですね。

それと、ウォークマンやショパンのCDも買わなきゃ。っというわけで車の無い中、松江の炎天下を歩き回りました。

さすがにもう10回以上も訪れている松江。わりと街のなかのことも把握しはじめました。(それに、良いお店も!)想外に居残りが長引いたのと、なぜかホテルが取れない日に重なってしまったので、前回お世話になった方がやっている安いユースホステルに滞在することにしました。ユースホステルなんて、高校生以来! 本当は相部屋なのに、1人でとまることができて逆にホテルよりよっぽどよい気分でした。 知ってる人の宿とおもえば、安心感もありますしね。

さて、シンプルに音源とモーターを繋いだだけで割り箸を刺して試してみると、、、本気で耳を塞げばちゃんとピアノ曲が聞こえるではありませんか!これは、大人でも感激する!と思いました。

翌日試作品を会場のスタッフに試してもらうと、「ビリッとくるイタズラじゃないよね?」と恐る恐る割り箸を噛んでくれました。そして、「あ!」という顔をしてくれます。驚いて口を開けてしまい、割り箸を落としちゃった人も。手応えがあったので、私は気を良くして思いきって来場者にも何人か試してもらいました。そしたらウケた!やった!よし、丈夫な機械に仕上げよう!

しかし、その日は松江の豪雨騒動で電車ストップ、静岡に帰宅できず・・・・・・、松江生活はついに6泊目となりました。

豪雨翌朝、夜明け前に出る始発で静岡まで帰るとその足で、ホームセンターの工作室と、電子部品屋さんに。

一ヶ月間、子供がさわっても事故なく破損もなく、子供の目を引き、楽しげな飾りも必要、なんだよなぁ〜。

木材売り場でイメージをふきらませます。効率よく木を使い、簡単な組み立てを考えて、木を大きな機械で好みのサイズに切ってもらいながら、細かなものはベニヤ板の切り落としを安く買って店の工作室の電動糸鋸とグラインダーを借りて作ります。スイッチ部分をくりぬいたり、電気コードを逃がす穴を開けたり、モーターの芯を出すところを作ったり、せっかくだから、グランドピアノっぽい飾りを曲線で切り抜いてつくったり。あぁ、めちゃ楽しい!でも、実は図面すら描いてない・・・

ちなみに、ベニヤ板も、エジソンの発明品なんですよ。ガムテープもね。

話をもどして、会社に戻ると組み立てです。そして色塗り。スイッチをいれると、照明とモーターが同時にonになるように2系統のスイッチをつかいます。モーターは振動するから、ほかにその振動が伝わらないようにパッドをはります。そうしないと、木の板から音が聞こえちゃうんです。 電子工作とまではいいませんが、コード切って、配線して、ハンダで止めて・・・楽しい作業です。

そうそう特筆すべきは、増幅器です。じつは、普通に作るとわずかな音しか聞こえないのです。

ちょうど滞在最終日(になるはずだった日)、会場にいるときに松江工専のみなさんが、紙コップでスピーカーを作る教室をやってくださってました。しかし、あの豪雨。雨が振る前は満員だったのに、駐車場から雨に濡れてしまう会場のため、バケツをひっくり返したような雨に、雷に、一時停電、その回は残念ながら定員割れになってしまいました。そのとき余った手作りの増幅器を分けてくださったのです。

工専のみなさんとは初対面だったのですが、これこれこういうものを作っているのですが、と、思いきって声を掛けて、あれこれアドバイスをいただきました。もしも私が引っ込み思案てあれば、わずかな音が聞こえる機械を出来上がりにしたはずです。教えてもらえて、ほんとによかった。たとえば、この場合、振動させたいならモーターは小さい方が良い、とか、(じぇじぇ!オラ逆だとおもっていただ)、増幅器の電池ボックスをACアダプターに変えるやり方 (じぇ!要らなくなった携帯の充電器が利用できるのか!でも、コードを切るなんてなんかバチがあたりそうだべ)、そのほか注意点、等々。さっすが、工専!先生も学生さんもカッコイイ!(私はむかしっから理系男子に弱い)

その増幅器をウォークマンとモーターの間に挟むことにより、笑っちゃうぐらいはっきりと、歯からショパンのピアノ曲が聞こえるではありませんか!しかも、振動がよくわかります。すごい違いです!

そんなこんなで、歯で音を聞く、最初の3文字で、「ハデオ君」じっさい、エジソンがLEDを見たらどういうかな、と思い、比較対象と装飾を兼ねてライトを一杯つけて派手になり出来上がりました。

ライトがついている=モーターがついている=音が流れている とわかるので、つけっぱなし防止にもなります。

ライトも取り替え自由にして、他のバージョンにかえたりできるし、ボードと本体の電気部品は独立させてあるから、なにかと使い勝手がよいのでは、と自己満足。 といいつつ、実はライトはもっとコードの色が黒っぽいものにしたかったのですが、時間が無くてその場で売っているもの、で選んでしまいました。いつでも交換できるし、って思ったけど現場にはお願いしづらいですよね・・・。

翌日、仕上げたらすぐに松江に発送し、私は新幹線にのり、東京にいかねばなりませんでした。しかし、慣れないペンキ塗りで手が真っ黒に。しかも、乾かしている間に、強風で飛んでしまい、苔やら小石やら、くっついてしまったりしまったり、失敗もしましたが、とにかく無事にできあがりました。

さぁ、ハデオ君、松江で活躍してくれるでしょうか? ヤマト運輸で丁寧に梱包してもらって、発送です!



めでたしめでたし、 のはずが。

と、ここで? 現場から、まさかの「割り箸却下」の報が。

じぇ!じぇ!じぇ!

たしかに、モーターの棒に差し込むための穴を、割り箸一本ずつ開けるのは手間だし、使い回せないから原価かかるよね。で、さぁどうする?

現場のご担当といろいろアイディアを出しあいました。で、100均のフルーツフォークでやってみることに。形状的に棒を挟める絶妙な二股、危なくないし、固すぎない、使い捨てにできる、安い。妥当な線です。

子供さんが持ち歩いて転けたり喉をさしたり歯を折ったりしないよう、その場ですててもらうか、親御さんが管理してくださらないと。そんな声かけや表示も必要です。

機械の後ろにL字金具を付け、クランプで机にしっかり止めることができます。

小さな四角いボックス部分にLEDライト以外がすべて収まっているので、小さいサイズで

運用することもできます後ろのボードはいわばおまけ。会場で目立つようにと。

LEDライト、まぶしいぐらい鮮やかに7色に点灯するのでちょっと邪魔かも・・・・・・。

 

さあ、これを読んでくださった松江の皆さん、試したくなったでしょう?

松江以外のみなさん、松江の友人に教えてあげたくなったでしょう?

うっしっし。

ぜひ、ご来場ください、宜しくお願いします。

個人的には、ガリガリ君をかじりながら、あ、この棒つかえそう、とか、チュッパチャプスみれば、これ使ったらおもしろそう、などと、割り箸の代わりをいまだに気にしてしまうのでありました。

と思っていたら、当たりました。

 

おしまい。

 

 

 

 

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