ゴム動力 プラ子の日記  〜 第128回め 〜

    

1月4日(水)   クリスマスイブ in アキバ

今日から仕事始めの方、お疲れ様です。いきなり去年の話で、すみません。

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24日のイベントは秋葉原ラジオ会館でのナニワンミリテール。25日は横浜ワンダーランドマーケットと、東京AFVの会。

どうせ行くならと、1号2号を誘い、クリスマスを東京で過ごそうと張り切った私だったが、1号は「ボクはいいよ」「行かない」「コスプレ興味ないし」「留守番させて」

行けば楽しいと思うんだけどな、秋葉原。でもあれこれ楽しげな話をしても反応ナシ。あまりにもストレートに拒まれてがっかり。友人に聞いてもだれもが「そういう年頃だ」とおっしゃるし、結局私は居残りの1号のために鍋一杯のカレーを作って、2号と東京に向かった。朝昼晩・そしておやつもカレーでいいとは。カレー星人め。


さて、まずはお仕事。

ナニワンミリテールの来場者の方々にフリマのチラシを配布。主催者様のご厚意で、受付の場所で配らせて頂けたんだけど、会計係さんと近かったので、たぶんほとんどの方が、フリマのチラシをナニワンの入場券だと勘違いしてたかも。ちゃんと気づいてくれたかなぁ? (^_^;

  

その後、一段落してから、2号と話題のヨドバシに向かった。あまりに広いし安い。私は最近調子の悪いこのノートパソコン(この日記は主に自宅のノートパソコンで打っている。時々画面が消え、夜中に悲鳴を上げる。 さっきもそうだった・・・。)をいっそ買い換えようかと、かなり心が動いたのだけれど、きっとこういうチャンスはこの店に来れば365日それぞれちゃんとあるのだろう・・・と我慢した。売ることに長けた店なのだ、きっと店内の全てにそのための技が詰まっているのだ。そう思ってキョロキョロしてみるが、とにかく人が多かった。

                                            8「物欲に耐え、よくがんばった!感動した!」

その後一旦会場に戻り、その後、また外に出て2号と秋葉原散策。といっても、私は駅からレオナルドさんまでの道しか歩いたことがない・・・。知ったかぶれるのはそのルートだけだ。

初めての秋葉原に2号は興奮気味。

P「夜はもっと派手派手だよ。日本一の電気街だからね」

2「電気代がもったいないね〜。」

2号はキョロキョロしながら、「ねぇ、おかあさん、わりと普通の店があるね。冷蔵庫とか売ってるよ。」と驚いていた。いったいどんなところだと思っていたのだろうか。

途中で、突然彼の足が止まった。私の服を引っ張り、固まっている。なんだと思ったら消え入りそうな声で「メイドの人がいる・・・」 メイド喫茶の呼び込みのおねーさんを見て、完全に目が泳いでいた。

「どうだった?・・・絶対領域とかは。ぷぷぷっ」

「ボ、ボク見てないもん!」

そんなにムキになって否定しなくても、というぐらい顔が真っ赤だ。ウブ(死語?)な2号である。その直後、「あっ!」 彼が集めているトレーディングカードの看板発見!

「おかあさん!5階トレカコーナーだって!」

張り切ってその店の前まで走った2号であったが、次の瞬間、表情を一変させ、戻ってきた。理由は「6階アダルトコーナー」という表示。

アダルトなどという単語自体、彼にとっては見ただけで恥ずかしく罪深い。5階に行くために、6階アダルトコーナーに止まるエレベーターに6階に向かう男の人と一緒に乗り込むことなど有り得ないことなのだろう。ははははは ・・・おかあさんもできれば乗りたくないけどね。この混在に慣れてしまえばへっちゃらになるのだろうか。でも、それでいいのだろうか?へっちゃらでいいの?素朴な疑問を感じる。 

というわけで、なかなかすんなり入りやすい店がないまま、レオナルドさんの前まで歩いてしまった。ココまで来たら社長にご挨拶をするべきか、アポナシだから遠慮するべきか・・・。などと迷いながら振り向くと、向かいにきれいなうどん屋さんが出来ていた。

まずは腹ごしらえかな、と、うどん屋さんの扉を開けようとしたちょうどそのとき、迷彩バイクがブーンと走ってきて、レオナルドさんの店の前に停まった。迷彩ベンツは知ってるけれど、迷彩バイクもあったっけ?フルフェイスのヘルメットが「あれれ?」と言わんばかりの角度に傾いたまま、こちらを見ている。つられてこちらも「あれれ?」となったまま、5秒ぐらい時間が止まった。

「なんだ、プラ子か。」

「あれま!社長!すごいタイミングですね〜。こんにちは〜。」

「なんだ、なにやってんだ」

「うどんを食べようと・・・」

「・・・あがってけ。」

「だ・・・だれ?」という顔をしている2号をひっぱって、エレベーターで社長室へ。「あ!この香り!」 フィギュア教室のおかげだ。今回初めて、香りの正体がハンブロールカラーだとわかった。部屋の応接テーブルの上には、いつも、たくさんのハンブロールカラーと塗りかけのプラモが置いてあるんだ。

子連れアポナシだったこともあり、ジュースとミカンを戴きながら近況報告と年末のご挨拶、そして少しだけ仕事の話をして早めに失礼した。

その後、至近距離の「ミニチュアパーク」さんの店内を2号と2人で扉の外からガラスに張り付いてあれこれ眺め、うどん屋さん経由でラジオ会館まで戻った。

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ラジオ会館では会場となりの別室で海洋堂さんやモリナガさんたちと打ち合わせと雑談。去年の、いや、一昨年のクリスマス前に初めて生センム様と、生モリナガさんにお会いした「別室」だ。今回モリナガさんは黒澤食玩「七人の侍」のシリーズ構成なさっている。平田さんの原型と合わせてすご〜く発売が楽しみなシリーズだ。

その話の間2号を会場に残すことに。お菓子を戴いたりして待っていたようだけど、若干人見知りをするので2号は2号なりに「知らないおとな」たちに囲まれ、精一杯虚勢を張っていたんじゃないだろうか。人に声を掛けられても下を向いてゲームボーイをしていたんじゃないだろうか。そんな態度でどなたかにご迷惑を掛けたのではないかと、今でも心配している。

 

打ち合わせは実のあるものだった。センム様はまたフリマで面白いことを企ててくださっているようだ。内容はまだ言えないけど。うへへへ 

P「でも、センムーコレクションという屋号は、なんだかホントに・・なんというか、そのぉ〜・・・そのまんまですよね。」(失礼ながら・・・)

U「そうですねぇ。なんか、考えますよ。」

P「海洋堂さんみたいに、○○堂さんって、名前に堂が付くの、なんかいいですよね」



P「うちも、いっそ、静岡クリエイ堂! な〜んちゃって・・・」

とっさに出た自分のオヤジギャグ、直後に耳まで熱くなるほど恥ずかしさがこみ上げてきた。たはははは

その後会場の片隅でいつもの横浜組とお菓子を食べながらまったり雑談をしていると、足早に近づいてきた御大が唐突に、

「2号くん!キングコング展いこか!」

行く行く!行きます!で、場所は・・・ええ????? しかもタクシーで???

その約30分後、夕暮れの六本木ヒルズに、センムとフィギュア王のライターさん、そして、私たち親子はいた。

道中、「キングコングは面白い!」と絶賛するお二人に影響され、年末に映画を見たわけだ。そして、期待以上に楽しめた訳よ)

六本木ヒルズはものすごい混雑。センムを先頭に4人1列、はぐれないように歩く。クリスマスツリーがきれいだ。センスいい人がコーディネートしたに違いない。絶対そうだ。なにしろここは六本木ヒルズなんだから♪

   

売店でカードやクッキー、ペーパークラフト、2号のクリスマスバッジ、そして村上隆さんとセンムが一緒に載った六本木ヒルズオープン頃のフィギュア王を購入。他にも素敵なモノがいっぱい売っていた。「万引きするで!」と大きく書いた紙袋には大笑いだった。



目当てのキングコング展は展望台にあり、展望台に昇るエレベーターに乗る為のチケット売り場前には目を疑うほどの長い列が出来ていた。そして、チケットを買うまで45分待ちと聞いてセンムの顔色が変わった。

「やめじゃ!」

考えてみたら、クリスマスイブの夜、六本木ヒルズの展望台から東京の夜景を見下ろし、ロマンチックに過ごしたい恋人同士が日本全国から集まっているのだ。 私たち4人には入り込む余地などない。親子連れは、おじゃまなのだ。遠慮するべきなのだ。

「ま、イブですからね・・・。仕方ないですよね。」

キングコング展は諦めて、せめてお茶でも飲みましょうかと、カフェを探すも、どこもいっぱい。座れそうなところを見つけると「本日はクリスマスディナーのご予約のお客様のみですので」と、丁重に断られ空振り続きだ。当たり前か・・・。2号が「ボクお腹空いたよ・・」と、風に背中を丸めながら小さな声で言った。

そのときだ。

丁度歩いていた「けやき坂」の並木道が一斉に点灯。きゃぁ〜 きれ〜〜〜!あちこち断られたおかげだ!(そうか?) 計ったようにタイミング良く点灯の瞬間を見ることが出来て、ものすごく盛り上がった。 

この数年、クリスマスに冷めていた私だったけど、久しぶりにクリスマスを楽しむ気持ちになってきたよ・・・。ほら、ごらん、2号よ、これが都会のクリスマスだよ〜〜!

その後「毛利庭園」の美しく幻想的な青いライトアップも見ることが出来き、大感動。もう六本木ヒルズに思い残すことはない。キングコング展以外。(笑)



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P「帰りは電車で帰りましょうよ。安いし早いし。」

セ「いやだも〜〜ん」

というわけで、またまたタクシーで秋葉原に戻った。お腹ペコペコ、喉カラカラ、気分はメリークリスマス♪、という感じ。

途中、丸の内界隈にはワンフェス真っ青の長蛇の列が。人の固まりは全く進む気配もない。丁度その夜から点灯する「ミレナリオ」への列は東京駅までつながっていた。イブだもんなぁ。

「うわぁ〜これじゃ、ミレナイヨ」・・・ と言いそうになって「静岡クリエイ堂」の失態を思い出し、ぐっと飲み込んだ私は学習機能付きだ。 それに実は一瞬見れたの、ミレナリオがタクシーの窓から。ちょっと得した気分! 

結局夕食もごちそうになった。すき焼きだ!

セ「で、静岡ではどう食べるの?すき焼きは」

P「ウチは元々両親が関西人ですから、同じですよ。」

2「っていうか、家で食べないじゃん、すき焼き。」

P「・・・・おだまり。」

2「食べたことないよ。」

P「ある!ありますっ!」

   




そんな会話をしながら、ふと思った。

そうなんだ・・・。

プラ子の日記第20話で書いたタミヤニュースの「海洋堂さんのプラモ教室」の写真の話、あの取材をして記事を書いたのは私の父だったんだ。父は子どものころの修一少年(現通称センム)にお会いしていたわけだ。そして今、約40年の時を隔てて、大人になったセンムが父の孫、私の息子に笑顔で接してくださる。ず〜っと継続して交流があったわけじゃないけれど、細くても切れなかった長〜い糸のような「人の縁」が確実にそこに見えるような気がした。 

            8「それって、糸こんにゃくなんじゃない?」

            P「・・・・。」

人の縁って宝物だと思う。

この先も私の次の代へと繋げておいてあげたい。初めてそう思った。全ては無理でもね・・・。不義理をしたりいちいち短気を起こしていては、大事な糸がブチブチ切れてしまう。今までは、別にそれでもいいかと思っていたけれど、大切に紡いでいこうというスタンスでいれば、対処も違って来るかもしれない、などと思ってみたり。いや、どう思っていても不思議と切れない糸はあるものだと思い直してみたり。


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2号はニコニコ。丁度別件で上京していた祖父母と一緒に新幹線で帰って行くのをホームで見送った後、私は秋葉原に戻り、海洋堂さんの打ち上げに合流した。

そこで色々食べて、最後にご飯におみそ汁、そしてデザートまで戴いて、私もニコニコ。

「あれ?良く入るね〜。さっき、すき焼き食べたんでしょ?」

「あ・・・」

2号に「このおっちゃん(すみません)と、すき焼きのことはずっと忘れちゃだめよ!」と言ったくせに・・・。言った本人がすっかり忘れてその日2度目の夕食を食べてしまうとは。なんということだ。でも、美味しかった。わっはっはっは

ロマンチックな夜とはほど遠いけれど、濃いキャラの方々と過ごし、笑い転げた楽しいクリスマスイブ in アキバ。



で、留守番1号への、2号のアキバの報告は、

「おにいちゃん、ボク、すき焼き食べたよ!」

「割と普通の店があったよ」

以上である。

そ、それだけ?六本木ヒルズのきれいなクリスマスツリーは?けやき坂のあのライトアップは?毛利庭園は??? あ〜あ、男の子ってつまらないわねぇ。




2「ところでさ、なんでみんながボクのこと2号君って呼ぶのかなぁ?」

P「な、なんでだろうねぇ?不思議だねぇ・・・」



       かるくヤバイ・・・





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