ゴム動力 プラ子の日記  〜 第147回 〜

    

6月17日(土)   プチひとり旅  〜名古屋・水野シゲユキ展〜   ※水野シゲユキ展は、日曜日がお休みです!

昨日は明け方から酷い雨音で夜明け前の3時過ぎに目が覚めてしまった。こんな時でも新聞屋さんのバイクの音が聞こえてくる。気のいいいつものおじさんの顔が浮かび、事故らないでねと願いながら、またいつの間にか眠りに落ちていた。

さて、朝起きるとやはり大雨洪水警報発令中。

高校に通う1号は関係なく登校。私が高校生のときはびしょ濡れになりながらも自転車で学校へ行ったものだが、自転車で駅に着いた後、電車とバスを乗り継ぐ1号を思うと、やはり行ける時ぐらい車で送ってやりたくなるものだ。 2号は警報解除になるまで登校は禁止されているので、嬉しそうにテレビの前で踊ってた。 嬉しいと踊らずにいられない・・・私にそっくりだ。

ちなみに私は女子校出身。全員がずぶ濡れで登校したあとのクラスの中は男性が見たら卒倒しそうな状況なのだよ。ふっ。

往復1時間半かけて1号を車で学校まで送り、2号と一緒に警報解除、その後の連絡網を待ち、送り出して家事をして、やっと静岡駅に着いた頃にはもうお昼。出遅れた・・・。

うとうとしているうちにあっという間に名古屋。近すぎて物足りない!(だから、寝てたからだってば)  名古屋駅に着いてから、名古屋芸術大学がどこにあるのか全く調べて無かったことを思い出した。携帯で調べようとすると目の前に案内所があったので、人に聞くことにした。日本語が通じるってほんとに楽ね。

名鉄か。ふむふむ。徳重・名古屋芸大駅ね。ふむふむ。 犬山方面ね。はいはい。

初めて名鉄というものに乗る。ところがホームで待っているとどうも思った方向の電車が来ない。まちがえたかと思い、また階段を上り掲示板まで戻ったりしたが、やっぱり合っているようだ。未だに同じホームから行き先が違う電車が出るということに慣れないのだ。

290円だからそれほど遠いわけではない。快速から途中で各駅に乗り換えて1つ隣の小さな駅を降り、のどかな田園風景を眺めながら、大学を目指す。下校途中の小学生低学年の楽しげな声が聞こえていた。 途中の神社には黄色い服を来たおばさんが立っていた。たぶん、痴漢撃退、犯罪防止のためだろう。のどかなところでもそういう世の中なのだ。


え、12分も歩くのか・・・ 暑いなぁ・・・


ん〜〜・・・こんな顔の人、知ってるぞ。だれだっけ・・・ あ。思い出した。(^_^;)



ふと、道の反対側をみると、西部劇に出てくるようなおしゃれな建物がぽつり。なんと看板には「プラモデル」と書いてある。らしくないが、書いてあるのだ。 こ・・・これは・・・ 気になる・・・。

てくてく歩いていると汗が止まらなくなった。天気はすっかり回復していて日差しがきつい。見上げると空は「もう夏ですからっ!」と言っていた。田んぼの向こうに大学が見えた。もうすぐだ。 写真撮りながらのんびり歩いたので、12分の道のりを、結局30分掛かってしまった。

 


初めて足を踏み入れた「芸術大学」というところ。

あちこちで学生が座り込んで絵を描いている。オブジェが点在し、木陰の風が気持ちいい。現地でお会いした土居さんと、「なんだかうらやましいですよね〜」って、楽しげな学生たちを見回した。

  



さて、足を踏み入れた水野さんの展示会は、まさに芸術大学の展示会だった。

広く、そして暗い空間に、選び抜いた作品が3メートル四方に1つぐらいの間隔で、浮かび上がっている。思わず「かっこいい・・・」 今まで展示会で見ていた作品も違う顔を見せていた。土居さんも「こういう風に展示されたら幸せだよな〜」 そして、ほんとに幸せそうに水野さんも登場。うーちゃんTシャツを着て照れ笑い。

 

 
写真は事務局とご本人の許可を得て、スタッフ証をつけて撮影。本当は撮影禁止です!

作品はほんとに実際見てもらうのが一番良いのだけれど、今回の収穫は作品以外にもあった。トークだ。なんにもしゃべること考えてないよ、と水野さんは笑いながらおっしゃっていたけれど、芸術大学の教授とアーティスト水野さんとのトークは、いつもの「モデラーによる、モデラーのためのトーク」とはまったく視点が違い、新鮮だった。また、学生たちにとっては、教授や学生たちの予想する答えとまったく違うことを涼しい顔で正直に語る水野さんは新鮮だったに違いない。

私は今回のトークを聞くまでまったく知らなかったことだが、水野さんがアートの世界に身を置く前、実際の工事現場で鉄やコンクリートの固まりを相手に10年もの間働いていたそうだ。これを聞いて大きく頷いてしまった。 その時、毎日触っていた本物の鉄のにおい、熱さ、冷たさ、瓦礫の砕ける音、ハツって飛び散る破片の勢いが体に刻まれているに違いない。 だからあんな風に本物の残骸が出来上がるのだろう。

だとすると・・・、マルケンさんは草原で、荒川さんはジャングルで10年暮らしたことがあるんじゃ? 唐突にそんな両氏の姿を思い浮かべるプラ子であった。(すみません)

 

また、どの角度から見ても絵になる(ピントの合う)水野さんの作品を、芸術大学教授は「まさに中国絵画のようであり、○○期の△△のようでもある」と、サンプルの絵を示しながら熱く語った。(正確な言葉は覚えられず・・・)  思わず唸る。 となりで土居さんも唸っていた。



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トークの後のパーティーは学生たちも交え大変なにぎわい。私は途中で失礼して、また田んぼの中をテクテク歩いて駅に向かった。

そうだ、あの変わったプラモ屋さん・・・寄りたいなぁ。 どんなところだろう。 でも、ウインドウがないのだから、店の中の様子が全くわからず、道から少し引っ込んだところにある入り口に向かう勇気が出なかった。

本当はそこでおしまいの話なのだ。

ところが、だ。この日記に書きたいと思うと、勇気がちょびっと出てくるんだなぁ、これが。 たとえば怖いおじさんがギロリと私を睨んで「買わないなら帰れ!」と言ったとする。それも笑い話になるではないか。それに私はマムートさんにだってひとりで入ったことがあるのだ。(どういう例え方じゃ・・・)あのときだって結局楽しかったじゃないか。 そう思い直し、ちょっと息を止めてドアを開けた。

「こんにちは〜ちょっと見せてくださ〜い・・・」

「どうぞ〜」

ほっとする柔らかい声だった。よかった・・・。

 

12畳ぐらいかな?店内にはショーケースがいっぱい並んでいた。しかも、ショーケース内ほとんど「非売品」!? 余ったところにプラモがおいてあるような楽しいしつらえだ。ついそのまま言葉になってしまった。

「非売品ばっかりですね〜」



「そ〜でしょ、すみません、自分のコレクションばっかり置いちゃって」

顔を上げた店主さんは怖いおじさんではなくて、優しい笑顔の人だった。話しやすい雰囲気についつい私も語ってしまったり。

「なにか分野を絞れる人って羨ましい。ボクは映画をみたら出てくるもの全部集めたくなるんですよ。」


俺たちも非売品だぜ。。。 参ったかっ!

 

 
イラストレーターでもある。だからフィギュア塗るのもお上手。

結局、私はフジミさんの「こちら葛飾区亀有公園前派出所」のプラモデルを買った。大きな茶色の紙袋を抱え、気分良く駅に向かった。寄ってよかった♪ ランランラン♪

 
お店のホームページです。ぜひ、のぞいてみてね!




この日は母が不在だったので、名物手羽先にも、みそ煮込みにも目をそらし、ダイエット中のため、赤福も、ういろも買わず、そのまま静岡へ。(すばらしい!)

空腹のあまり思考能力が無くなり新幹線の中で、静岡駅まで車できたことを忘れ缶ビールを開けそうになっては思いとどまり、なんとか家に戻った。足の裏には三つもマメができていた。結構歩いたんだなぁ。 でも充実した1日だったなぁ〜。  芸術を志す学生がさ、たくさん見に来ていたんだよね。彼らが男女問わず、ジオラマに興味持ってくれたら、おもしろいことになりそうだと思うなぁ。

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さて、今日は土曜日。

陸上教室に通う2号を送ってちょっと遠くの田舎の運動公園まで行き、帰るまでの3時間、木陰に車を停めて読書をして過ごした。サンルーフまで開けてみる。風が気持ちよい。時々、にぎやかに蜂が入ってくるが、すぐに出て行く。 

            8「ハッチ・・・」

今回は今更ながら「沈まぬ太陽」 を読み始めた。このところ、推理小説と恋愛ものばっかりだったので、久々の社会派長編にワクワク。前回はノートパソコンでDVD(スターウォーズ)を見て過ごした。休みの日に寝坊ができないのは辛く、最初は嫌々だったけど、トイレ完備で緑の多い静かな環境に長く居られるのだ、なんとよい時間なのだろうと、今は思っている。 思わずポッキーなど食べたい気分だけれど、それは我慢我慢。 うへへへ 

 

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