ゴム動力 プラ子の日記  〜 第195回 〜

平成20年4月20日(日) パンツァーグラフ12号!それから 好き好き倉吉 

まだ、痩せこけない・・・

なのに、この姿のまま写真が雑誌に載ってしまいました。えへへ・・・というわけで、今回のパンツァーグラフ12号に、私のレポートが! 

タミヤ1/35MM40周年記念号ですから、そうれはもうそうそうたるメンバーの中に、私はかなり場違いに載っています。私のことはさておき、 ツインスターの生みの親、田宮督夫さんのインタビューって今までないんじゃ?(不確かですが)  シャイでクールな田宮「専務」の登場も珍しいような気がします。

私のページはあまりためにならないので飛ばしたとしても、他の皆さんのところは読み応えあり!ぜひ、買って読んでね!(にやり) 

さすが、タミヤタミヤな表紙・・・すごく目立ちます!

■■■で、倉吉の話。

倉吉がこんなにステキな町だなんて・・・そんなこと、全然知らなかった。

4月の10日から12日にかけて、倉吉博物館で開催の「昭和レトロ展〜山田卓司の世界〜」の準備のため、鳥取県倉吉市に出張した。静岡から新幹線と特急を乗り継いで6時間の旅。しかも大事な大事な、山田卓司先生の作品を一つ、持参していたので気が抜けない。(こういうとき、プラコバッグが本当に役に立つ) 我がふるさと明石を通り過ぎ、母のふるさと姫路を通り過ぎ、そのあたりからは初めての土地だった。推理小説もおもしろかったけど、長閑な景色にもすっかり魅了され、全く退屈することもなく到着。倉吉はちょうど桜が満開で、目的地の博物館は桜の名所の中にあったから静岡でちゃんとお花見をしそびれた私としては得をした気分だった。

  

博物館での作業はスムーズにすすんだ。併設の海洋堂さんのミニコーナも龍遊館さんから貸して頂いたジオラマボックスでパワーアップ。なんとも家庭的というか暖かく気さくな博物館館長はじめスタッフの方々との楽しい会話や、プラモデル好きの主催者側のスタッフさんの少年のような笑顔、地元名士の皆さんとの会食などもあり、とても充実していた。「町家清水庵」での「お餅のしゃぶしゃぶ」、これはやみつきになりそうな食感だった。

なんといっても気に入っちゃったのは倉吉博物館の隣に建つ倉吉市役所の食堂だ。入り口に普通に家庭用みたいなのれんが掛かっていて、タイムスリップしたみたいな懐かしい雰囲気。あっさりラーメンが美味しくて、二日続けて食べちゃった。みんなに人気のラーメン、私より前に何人もの人が注文しているのに、食堂のおばさんは「最初のラーメンのひと〜〜!」「次のラーメンのひと〜〜!」って呼ぶから、いつが自分だかさっぱりわからなくて、おろおろ。でも、実はおばさんがしっかり、人の顔を覚えていて、そっちを向いて言ってくれてるらしい。私かな〜って出て行って、自分じゃなかったときの決まり悪さも、ご愛敬ってところだ。

  

そして、開会の日。今まで、清水ドリームプラザ、沖縄・浦添市と続けてきたこの卓司先生の展示会であるが、今回はかなり違った始まり方だった。なんと地元の偉い人がみ〜んないらして(という雰囲気)、祝辞につぐ祝辞、そして、本格的にテープカットまでしたのだ。 みなさんの一生懸命さに胸が熱くなった。

  

ホビージャパンさんがわざわざ寝台特急に乗って開会式に間に合うように取材に来て下さった。ご挨拶ご挨拶。 そんなこんなで、しばらくは巡回。来場者の反応を観察しながら時間を過ごす。基本的には、私の仕事はここまでだ。お昼前から自由時間をもらい、徒歩圏内の散策をすることにした。なにしろこの博物館は、観光地の真ん中にあるのだ。

風が吹くたび舞い散る桜のトンネルを抜け、1キロほど歩くと「鳥取20世紀梨記念館」がある。入場料は200円だが、梨の試食し放題。びっくりするほどお金がかかっていそうな立派な記念館だった。もちろん梨の試食もした♪試食というのもシビアなもので、2種類の梨が綺麗に切って大皿に盛ってあり、冷たく冷えている。極端に減っている方が・・・甘い方に違いない、と思ったらやっぱりアタリ。比べなければ両方甘い梨なのだろうけど、順番に食べると違いは明白。私も甘い方ばかりに手がいってしまった。ちょうど試食コーナーは貸し切り状態、だれはばかることなく甘い方の「愛宕」という銘柄を堪能した。美味しすぎる!ちなみにもう一つの梨の銘柄は記憶にない。薄情な私。

梨は日持ちがよく、この時期でもなおみずみずしい果実も、実は昨年の10月頃収穫されたものだとのこと。すごいなぁ。そんな梨の成分って、きっと化粧品に配合したらお肌の水分が逃げなくて老化も防いだりするんじゃないだろうか、などと思った。ちょうど咲いていた梨の花の香りは・・・そんな甘く美味しい梨の花とは思えないしろもので、例えるならサンダルと蟹の香りだった。(蜂にとっては「そんなの関係ね〜!」と言う感じかな)

   

私がこの記念館に行こうと思ったのにはもう一つ別の理由があったんだ。もう17年も昔の話であるが、イギリスの田舎町に住んでいたころ、こんな私でもちょっとホームシックになりかけたことがあって、そのとき地元スーパーの果物売り場に「鳥取」と書いた段ボールを見つけ、涙が出るほど嬉しかったことがあったのだ。(第7話に記載) ふるさと日本の味だった。 鳥取に来たのもご縁、恩返しに多少はお金を梨のために落として行こう、と。倉吉の観光パンフレットをみたときにそう思ったのだ。でも、結局、恩返しに使ったお金200円。う〜ん、ごめんなさい。

そこからまたテクテク歩いていくと、観光バスでどさっとお客さんがやってくる白壁の古い町並みに入った。水路があり、古い町家が続き、まさにレトロな雰囲気。谷口ジロー氏の漫画「遙かな街へ」はここが舞台となっている。そのはずれに有名な白い鯛焼きの店(米澤たいやき店)があって、そこのが美味しいと山田卓司先生に伺っていたので、行ってみた。

実は前日夜にも行ってみたけれど、すでに閉店していたのだ。見回すと店内の席はいっぱい。ついでにたこ焼きも、って目論んでいたけど、それは諦めて、その念願の白い鯛焼きをお土産を含めてトータル3個買って、とりあえず近くの水路沿いのベンチに座り、熱々のところを一匹、じゃなくて、一個、食べることにした。へぇ〜 白いんだ、ほんとだ〜 と思いながら、パクパク。こ、これは凄く美味しい! ・・・・ほんとに美味しい!!!・・・・ だめだ、止まらない。我慢できずに2個目に手が・・・。

ぱくぅ!!!  おぉ〜おいしぃ〜〜〜!

2個目を食べ終わり、満足して、ふと我に返った。

あぁ〜〜あ、やっちゃった。 鯛焼きを一個だけ持って帰って、いったい誰にあげればいいの?それにさ、やっぱり、鯛焼きは熱いうちじゃないとな。そうだよな。そうだよな〜〜〜〜。

ほんの少し悩んだあと、結局全部食べちゃった。

お茶も飲まずに、美味しく食べれてしまった。びっくりだ。 しかも、これで証拠は残ってない。うへへ

  

  

  

  

 

その後ものんびりと街を散策しながら、時間をみると、そろそろ博物館に戻る時間の30分前。そういえば、行きに通った喫茶店がおしゃれっぽかったな、と思って、博物館近くの喫茶店に入った。メニューをみてびっくり。私の大好きなダージリンの美味しそうな銘柄があるではないか。ポットで出されたその紅茶は1000円だった。ちょっと贅沢、でも、久しぶりに、これぞ、ダージリンらしい美味しさ、お茶好きの私には堪らないほど嬉しい店だった。

名残惜しく最後の一口を飲み終わる頃だった。隣のテーブルの男性客二人が突然こっちを向いた。 なに?なに?



男1「静岡からですか?」

な、な、ナンパ???

P子「は、はい な、なんでわかりました?」

思わず頭の上に吹き出しでもついていたかと頭に手をやったりするほど慌てた。モリナガさんのイラストのプラ子になったような錯覚。

男1「わたし、一回目のフリマにいきましたよ そのときおみかけしました。プラ子さんですよね?」

男2「ぼくは、三回目のフリマにいきました。」

P子「えー! 遠くからありがとうございますぅ」

感激だった。

「いやぁ思いきって声をかけてみてよかったなぁ ところでさっきはたい焼きやさんにいましたよね、僕たちも店内にいたんです、なんでここにプラ子さんが?っておどろきましたよ。で、またここにもいるし!」

鯛焼きを全部食べちゃった話などをしながら、笑った。

声をかけてくれてよかった。だって、迷ったあげく、声をかけてくれなかったら、この感激もなくて、この出会いもなかったのだから。

しかし、本当にありがたいものだ。彼らは岡山のモデラーさん。新幹線を使っても片道6時間かかる静岡まで、車に乗ってフリマの為に来て下さるとは。そういえば、常連の出展者さんの中には鳥取のお隣の島根県の方もいる。いつも青春18切符で静岡まで来て下さるのだ。韓国からの若者たちもいるし、遠くから来てもその甲斐があったと思ってもらえるように、もっともっとプラモデルの楽しみを提供したいものだ・・・、などと、博物館へ戻る道すがら、桜のトンネルを通りながら、思った。

その後、山田卓司先生含め、静岡組はついに引き上げの時間となった。

倉吉駅まで向かう途中「白い鯛焼き屋さんに寄ろう!」と言う話になった。「えっ♪」・・・いったい私は今日何匹の鯛焼きを食べることになるんだろう・・・と嬉しい悲鳴だったが、残念ながら店には行列が出来ていてとても特急の時間までに間に合わないとのこと。第二候補として場所を調べてあった山田卓司先生のマイミクさんお勧めの和歌山ラーメンの店(鳥取で和歌山?)に寄り(美味しかった!)、速攻で食べて、倉吉駅へ。今回はよくラーメンを食べる。

  

『特急はくと』(白い兎という意味)にちょうど間に合いそこからはひたすら推理小説を読みふけり、新幹線ではしっかり穴子の駅弁を食べて、22時頃帰宅した。

だから、痩せこけないのだ。

それにしても、沖縄に続き、よい旅だった・・・・  いやもぉ、ほんとに。

博物館の担当の方が、リチャード・ギアにちょっとだけ似ていたことも、最後に付け加えておこう。

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